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CRWが書いた小説なんかがメイン。 ジャンルは主にホラー系、青春系。 怖くて、そして共感できるような小説を目指して奮闘中。
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07.06.11:22

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  • 07/06/11:22

10.12.20:30

怪談好きさんに捧げる百のお題  あと九十一本... 「トンネル」

あと九十一本 トンネル



あそこのトンネル、出るんだってね。え?なにがって、勿論アレだよアレ、幽霊。あそこのトンネル、灯りがないから初めて車で通ったやつはちょっと驚くんだよね。ヘッドライト点けずに入ったら真っ暗なもんだから慌ててヘッドライトを点ける。運悪く対向車もヘッドライトをつけてなかったら・・・衝突事故。誰も通らないような寂しい道だからついつい速度も上げてるしさ、ひっどい事故になるんだよ。

噂じゃ、そういう事故で死んだ霊が出るとか出ないとか。まあ自業自得と言えないこともないけど、可哀相な話だよ。

どんなのが出るのかって?見たやつによって変わるらしいよ。血まみれの若い女だったり、頭のない男だったり。上半身だけの男の子ってのもいるらしいよ。かと思えば見た目は普通なんだけど本当は・・・ってのもいたり。なんにしても不気味な話さ。



実はさ、俺の知り合い、ここで事故ったんだよね。知り合いはこのトンネルは通り慣れてたんだけど、対向車がさ・・・さっき言ったような連中で、しかもトラックだったんだ。ひとたまりもないさ。即死だったことを祈るばかりだね。

トラックの運転手は謝ったんだけど、俺は許さない。いい友達だったもんだからさ・・・葬式に運転手が来たんだけど、俺、そいつを見た瞬間殴っちゃった。知り合いの両親も我慢してたのにさ。なんだか悪いことしちゃったなって思って、俺はすぐに帰ったんだ。

でも、帰ってからも怒りが収まらなかった。暫くの間家中のものを荒らして回った。あ、俺一人暮らしだから、家族とかには迷惑かからないんだ、そういうことしても。片付けるのは俺だからね。

数日して、俺はある噂を思い出した。あそこのトンネルの噂だよ。あそこのトンネルで事故死したやつは、幽霊になって現れるってな。とうとう俺も頭がおかしくなったのかと思ったが、俺はもう一度アイツに会いたかった。俺はアイツと事故が起こるしばらく前に喧嘩してさ、事故が起こった日に謝ろうと思って呼び出したんだ。うちに来る途中・・・死んだんだ。

もしあいつも俺と似たような気持ちで未練を残してるんだったら、トンネルにいるかもしれない。俺が来るのを待ってるのかもしれないって、思ったんだ。

あ、笑ったな?でも、俺だって他人がこんなこと言ってたら笑うさ。でも、本人は結構本気で考えてるんだぜ?



それで今日、あのトンネルに行くことにしたんだ。もう二、三分もすりゃ着くよ。





トンネルの中は暗かった。外が快晴で明るいだけに、その暗さが強調されるようだ。一応歩道があり、私達はそこを歩いた。



私がこの男に突然呼び出されたのは、今朝のことだ。

「********さんですね。私は○○○○○○○と言います。お話したいことがありますので、△△駅へすぐいらしてください」

突然電話がかかり、三十代か四十代の男の声がした。

それだけを告げて、電話は切られた。意味が分からないままだったが、今日は特に用事もないし、△△駅もそう遠くない場所だったので行ってみることにした。

駅では、声から察せられるとおり三十代から四十代の、灰色のスーツを着た男が立っていた。どうやら私と同年代のようだ。男は赤いスポーツカーに寄りかかっており、私の姿をみとめると手招きをした。

「お話をしたいことがあります。ドライブでもしながらね」

私達は車に乗った。



暫く話すうちに、同年代ということもあってか私達の雰囲気は打ち解けてきた。彼は敬語をやめたし、私もフランクな調子で話すようになった。

そうしているうちに、あのトンネルの話になったのだ。





こつこつという足音だけが響いている。

男はこのトンネルに入ってから、何も話さなかった。その、死んだ友人というのが出てくるのを待っているのかもしれない。

「ああ、お前ここにいたんだなやっぱり」

男は突然喋った。私は男の方を向く。男は正面を見て、微笑んでいた。私は男が見つめている所を見たが、何もない。ただ暗い闇に、出口にぽつんとした白い明かりがあるだけだ。

「どうしたんだ?」

「そうか、ごめんな。俺も悪かったよ。ずっと謝りたかったんだ」

男は私の言葉を無視して、虚空に向かって話しかけている。

「本当に、悪いことしたな。俺が呼び出したのに、お前死んじゃってさ・・・何度もここに来ようと思ったんだけど、お前が怒ってるんじゃないかって思うと怖くてさ・・・気づいたら十年も経ってたよ。ほんとに、ごめん」

男は涙を流しながら喋り続けていた。私は気味が悪くなってその場から一刻も早く立ち去りたかったが、足が動かなかった。足どころか、全身が動かなかった。

「・・・え?罪滅ぼしを要求するって?相変わらずだなあ、それ。いいさ、何をして欲しいんだ?・・・ふうん、そうか。俺もそれがいいかなあって、思ってたんだよ」

男は急に私の方に向き直った。

「アイツが言ってるんだから、しょうがない。それにアンタも、罪滅ぼししなきゃな」

男は、私をドンと突き飛ばした。にたりと笑った顔が、トンネルへ入ってきたトラックのライトに照らされる。目に、網膜を焼かんばかりのいっぱいの光が入った。





いやあ、痛快だったよ、あの顔。俺が話し始めたらさ、どんどん顔が引き攣ってくるんだよね。思い出したんだろうなぁ、十年前のこと。お前が死んだ日のことさ。あいつ、すっかり忘れてたんだぜきっと。許せないよな、お前のこと殺しておいて、自分はのうのうと生きてるんだ。

え?そりゃ、お前が言わなくってもああしてたさ。お礼?いいよいいよ、当然の事をしたんだから。

・・・もう帰れ?なんでだよ?・・・そうなのか・・・それじゃ、仕方ないよな。うん、分かった。お前に許してもらえただけでも、俺は嬉しいよ。

ずっとここにいるのか?・・・そっか・・・うん、そうだよな。それに、そっちの方がいいよ、きっと。



今度会うときも、また友達だといいな。

じゃ、またな。

END



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